相場考察

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今月の相場考察

 

日本市場

日経平均株価
出典:SBI証券

6月の株式相場を振り返ると、5月に急速に高まった米中貿易摩擦によるリスク回避の姿勢が、一時的に和らぐ展開となりました。
5月末から徐々に買い戻されたということになりますが、果たして何かが変わった結果なのでしょうか。

以前から同じことが繰り返されていますが、確約された何かが決まった訳ではありません。
あの人の、発言やパフォーマンスで相場心理が動いているということは常に念頭に置いて置きたいです。

初の大阪G20首脳会議は無事終了

無事に、大阪G20首脳会議が終わりました。
終始「良い雰囲気で議論が進んでいる」との報道がされていましたが、真相はどうなのでしょうか。

事実の一つとして、安倍首相は「貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならない」「現下の世界貿易をめぐる状況には、深く憂慮している」と発言していたので、開催国としてのリーダーシップを取ろうとしていたことは、評価できる点ではないでしょうか。

これを受けて、次は世界各国、さらにはアメリカ、中国がどのように動くかに注目が集まります。

 

その後のトランプ大統領の動向

G20の話に寄りすぎてしまったので、その後のトランプ大統領の動きを確認しておきます。
相場に影響があった発言・行動は、次の4点です。

  1. 中国への追加関税(3000億ドル分の中国製品に対する25%)を当座は見送り。協議を再開するということ。
  2. 米企業と中国の通信機器大手 ファーウェイとの取引を再開した(禁輸措置の解除)
  3. 日米安保条約の破棄は考えていないが、不公平との考えは変わらない。
  4. G20終了後に、北朝鮮の金正恩委員長と面会する予定(実際に面会した)

1と3はもともとあったシナリオですから、特にサプライズはありませんでした。
注目すべきは2と4です。

特にファーウェイへの禁輸措置は、かなりのポジティブサプライズでした。
半導体関連銘柄に資金が一気に戻ってきたので、市場は上に動きました。

ですが、これもどうなるかはわかりません。
現時点での状態であり、結局はまだ終わった訳ではないからです。

中国側が安心した顔をした瞬間に、また一気に攻め込んで来るかもしれませんしね。

 

それでも大きく動かない日本市場

日経平均株価は冴えません。
日銀短観、景気動向指数などから、景気の減速感が続いています。さらに、10月には消費増税を控えているためか、それを織り込んでか資金量が少ないですね。

 

大企業の製造業業況判断指数

出典:JIJI.COM

大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、2四半期連続の悪化。
業況判断指数の下落は日経平均株価の下落と相関性が見られルため、このまま下振れしていくということになるのであれば、事実として企業業績は悪くなっている訳ですから景気減速に拍車がかかります。

しかし、これにも消費税増税の懸念が織り込まれているとすれば、過去3回の消費増税時は、消費増税直前の約3ヶ月間の日経平均株価の動きは穏やかでした。所謂レンジ相場です。
今回も過去に習うのであれば、様子見の展開が続く可能性がありそうです。

 

 

米国市場

S&P500指数

出典:SBI証券

米中貿易戦争が一時休戦となり、FRBの利下げ観測が強まったことにより、株価は高値で推移しています。
最高値を更新してきましたね。
株式相場は金利動向に非常に敏感になっています。今の相場心理からすると、利下げが行われた際に株価は高値圏を維持する可能性が高いです。ですがマーケットの思惑とは裏腹に、意外にも景気は底堅く、利下げが実現されるかは不透明です。まずは今夜のFOMC議事録公表による、パウエル議長のお話を聞いてみる必要がありそうです。

 

それぞれの経済指標から次を考える

ISM景況感指数の推移

出典:Yahoo finance

雇用統計(失業率・非農業部門雇用者数)

出典:外為どっとコム

ISM景況感指数の推移を眺めると、水準的には2016年チャイナショックの水準まで下がってきています。
50を下回ると景気は悪いということになるので、ここにきての政策金利引き下げは誰もが予想するストーリーとなります。そのためFRBの金利の舵取りに注目が集まります。ゲームを組み立てるのはボランチの役目ですからね。

雇用統計は、低水準のままです。
失業者が増えたと言っても、企業には十分に人は行き渡っており、労働者が溢れているという状況に近いです。

さて、景況感と雇用統計の2つに何か歪みは生じていないでしょうか。
景気を占う指標は悪化してきていますが、労働者は十分に働き口を持っているということ。そして、気持ち悪いことに、株価は史上最高値を更新してきています。
債券利回りは低下してきていますし、活きの良い小型株も少なくなってきました。さぁ、こうなると投資家たちはどこに投資すべきか迷い始めるのが世の常です。悩みですね。

利下げは景気減速の兆候を受けて実施されることが多く、株式にとって最終的にはマイナスとなります。
ですが、企業の借り入れコストが低下するので企業利益の支援や、設備投資の促進を通じて株価にプラスになる可能性が高いですが、過去の事実をおさらいしておきましょう。

1998年は景気後退にならず、相場は持ち直しました。
2001年、2007年は景気後退に陥り、株式相場も大きく下落しました。
今回はどうなるでしょうか。

 

 

欧州市場

FTSETM100指数

出典:SBI証券

 

まず、ユーロ全体です。GDPとの連動性が高い、購買担当者指数 (PMI)のうち製造業PMIは好不況の分かれ目である50を4ヶ月連続で下回っています。ユーロ経済を牽引している国の一つ、イギリスの株価は外部要因の影響をポジティブに受けて戻ってきました。あとは次期首相の選挙とその後の政策が鍵となってきます。

ユーロ圏PMIの推移

出典:Tradingeconomics

 

続・ブレグジットのお話

「ブレグジット」「一部新興国の脆弱性」「世界貿易の成長」の3点が非常に不透明な点。
そして、ユーロ圏の鉱工業生産指数消費者物価指数が伸び悩んでいることから、 欧州の景気について不透明さが増しています。

特に長々と続いているブレグジットはゴールが全く見えません。
ここで再確認。ブレグジットは誰が何をしたいのでしょうか。まとめてみましょう。

 

そもそもなぜイギリスはEUから離脱したいのか
EU加盟国は28か国あります。28カ国で話し合っていろんなことを決めていかないといけません。
EUの決めたことに合意した以上はそのルールに従うことになるのですが、自分たちはやりたいことがあるのに、その通りにできないという不満がイギリスには根強くあったためです。

・具体的な不満の内容
特に国民投票のときにポイントになっていたのは移民の問題。移民の中でもEUの中で移動してイギリスに来る移民の問題が大きかったため。
イギリスはEUの中で比較的景気がよく、仕事が多くあるということで、東ヨーロッパなどの経済がよくないところから多くの人が入ってきていました。
移民の人たちも、イギリスの行政サービスを受けられるので、移民による人口増加で病院が非常に混んだり、学校もたくさん増やさないといけない。そして、それらはイギリスのお金を使って解決しなければならない状況だったということ。
ただ、移民してきた人たちも税金は払います。そのため、事実とイメージがずれていることは理解しておいた方が良いです。まぁ国民からしたらどんどん増える移民に困惑するのもありますね。

・解決策は離脱以外にないのか
一つの案として、EUの外から来る移民に対してはイギリスの権限で、東南アジアからはこれぐらいの人を受け入れる、インドからはこれぐらいとか、多すぎたら自分たちで制限して減らしたり、こういう人材が欲しいと思ったらそっちを増やしたりとか、そういうことができれば良かったです。
しかし、EUの中では人の移動が自由なため、基本的には制限できない。イギリスが法律を作っても、それがEUのルールに合わなかったらその法律は無効になってしまうためなかなか話は上手く進みませんでした。

・最大の理由はおそらく貿易
EUの中にいると、EUの外のアメリカや日本と貿易交渉をするときに、イギリスだけではできません。
EUとして交渉することになります。貿易交渉をするときは、イギリスも含めた加盟国の意見を反映させて行いますが、イギリス独自でやりたいこととや、得意な産業、守りたい産業があるためなかなか思うように行かないのが現実です。
イギリスは、GDPの規模が世界で5番目の経済大国なので、EUから離れても自分たちだけで十分やっていけるはずだという自負もありました。そのため、今よりもっとイギリスの利益に合った交渉ができるはずだという思いが強かったのではないでしょうか。

世界経済を巻き込んだ、イギリスのブレグジット。終着駅はどこになるのでしょうか。

 

新興国市場

上海総合指数

出典:SBI証券

5月の米中貿易戦争激化による急落についても、G20後に懸念が和らぎました。
ですが、先送りになっただけの関税や、他にも米中の対立を加速させる要因はまだまだ山盛りです。世界的な景気減速が進むようであれば、新興国は再び弱い動きを見せることになりそうです。

 

利下げを維持する新興国市場

マレーシアとフィリピンの金融当局は政策金利を引き下げ、ややインフレに向かいました。
2019年第1四半期のGDP成長率は、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピンの5ヵ国すべてで鈍化。その他では、格付機関スタンダード&プアーズが、インドネシアのソブリン債格付けを「BBB」へと引き上げるとともに格付け見通しを「安定的」に維持しました。同国の堅調な経済成長見通しとそれを支援する政策の方向性を格上げの理由としています。

また、先月インドで行われた総選挙では、モディ首相の率いる与党が勝利。市場では政権の継続が好感され、通貨ルピーおよびルピー建て資産への需要が高まる結果となりました。

 

貿易摩擦はアジアにプラスなのか

米中の制裁関税がアジア各国に及ぼす影響については、サプライチェーンを通じたマイナスの影響だけでなく、輸出代替を通じたプラスの影響も発生すると見込まれています。
制裁関税を回避するため、中国の対米輸出および、米国の対中輸出が第三国に代替され、そこから米中向けの輸出が増えるためです。
これらはマイナスとプラスの影響があり、アジア各国ともにプラスの影響の方が上回る見通しです。
GDP比でみると特に影響が大きいのはベトナムです。カンボジア、マレーシア、タイがこれに続く形に。
プラスの影響は既に出始めているものの、アジア側で人材や裾野産業の不足といった問題もあり、マイナスの影響を上回るには時間を要するため、当面は景気の下振れが回避できないということだと思います。

 

米中のみならず、世界各国に影響を与えている貿易摩擦。そしてブレグジット。
日本はどのようにして景気回復を計るのか。
もしかすると、全てはFRBのパウエル議長の発言が、トランプ大統領の発言よりも市場に影響を与えることになるのかも知れません。この後のFOMC議事録公表が気になるところですね。

 

最後まで読んでいただき ありがとうございました♫

ころすけ(@korosuke_money)

ころすけ

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