相場考察

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今月の相場考察

 

日本市場

日経平均株価

出典:SBI証券

消費税増税は宣言通りに実行

10月から消費税率が10%に引き上げられました。
否定的な意見は多かったですが、社会保障の安定財源を確保する上で消費増税は避けて通れないということから予定通りに実行されました。日経平均株価は特に消費税を嫌気することなく推移しました。
今回初めて導入された、軽減税率キャッシュレスによるポイント還元、そして幼児教育の無償化は消費者に取ってはありがたいこと。増税による実質的な影響は来年以降に数字に現れるかもしれません。

主要な指標をチェック

9月の全国企業短期経済観測調査(短観)は企業の景況感を示す業況判断指数が大企業製造業で+5となり、前回6月調査の+7から悪化しています。米中貿易摩擦や海外経済の減速が景況感の悪化に直結しています。

【業況判断指数・DI】
企業や業界などの景況感を数値化した指標。日本銀行が四半期に一度発表する日銀短観の中心となる数値指標。景気がよいと判断した企業の割合から、悪いと判断した企業の割合を引いた数値で、「良い」だけであれば100、「良い」と「悪い」と同数であれば0となる。プラスであれば景気は上向いていると判断。景気の転換点を見るのに用います。

 

事実として、米中の貿易戦争による影響から新興国指数と日経平均株価の動きは同じような動きをしています。

バンガード新興国指数&日経平均株価

新興国と日経
出典:Yahoo finance

 原油安も素材業種の景況感を悪化させる要因となっていますし、雇用の不足感も落ち着いてきています。
非製造業の景況感は高水準を維持しつつも先行きは悪化の見込み。注意しておかないといけない点は、製造業の不振が雇用環境の悪化を招き、非製造業の景況に波及する可能性です。
19年度の収益予想が下方修正されるなかで、設備投資計画はやや慎重化しています。製造業を中心に下方修正されているため、省力化投資や都市再開発などの設備投資が外需の不振をどの程度カバーできるかが焦点となりそうです。

米国市場

S&P500指数
S&P500
出典:SBI証券

米国の景気後退はいつなのだろうか

過去、金融引き締めに伴い金利上昇が続く場合は景気後退に陥るケースが多かったです。
今回2019年の場合も、利上げ期間は長期に及んでおり、景気後退に陥る可能性が考えられます。
ただしこれは数字を読んだだけの予測です。再びS&P500が3000ポイントを目指していますが、果たして景気後退を払拭するような力を見せてくれるのでしょうか。

出典:VESTA

経済の行方は米中協議が握る?

10日にワシントンで始まった米中の閣僚級通商交渉

今回の協議でわかったこと。それは、減速する中国経済を中国政府が少しでも緩和したいのならば、トランプ米大統領に調子を合わせる以外に選択肢がほとんどないということです。

決まったことは、15日に予定されていた対中関税率の一部引き上げの先送り以外、中国に対する米国の関税を巡る圧力が和らげられることはほぼありませんでした。これは、中国側が主張していた追加関税の完全撤回からは程遠い回答です。中国側も為替や知的財産を巡る慣行についての曖昧な約束や、同国がいずれにしても必要とする農産物の購入といったこと以外はあまり譲歩することはありませんでした。
香港での抗議デモも大きな問題のまま。中国経済への信頼回復を迫られる習近平国家主席にとって、正念場となっています。この現状から、トランプ大統領は次にどのような一手を打ってくるのか。
それによって、株式相場もまた影響を受けそうです。

 

欧州市場

ECBが考えている利下げ構想
ECB利下げ
出典:みずほ総研

ECBは景気減速の懸念から、3年半ぶりにマイナス金利の深堀りに加えて、フォワードガイダンスの強化、資産購入プログラムの再開など、大きな政策を打ち出しました。大きく分けて下の4つがポイントとなります。

〜政策理事会におけるECBの政策決定案〜

マイナス金利の深掘りと悪影響緩和措置超過準備にかかるマイナス金利を二段階に階層化。当座預金に積まれている預金のうち、法定準備金に一定の乗数(当初は6倍)を乗じた金額について、預金ファシリティ金利(▲0.5%)の適用外とし、主要リファイナンスオペ金利(0%)により付利する。
 政策金利のフォワードガイダンスインフレ見通しが我々の予測期間内に2%未満だが十分に2%に近いという目標水準にしっかりと収斂し、かつその収斂が基調物価の動きを一貫して反映したものであることが確認できるまで、政策金利は現行水準またはそれより低い水準で据え置かれる。
 資産購入プログラムの再開毎月200億ユーロの純資産購入を11月1日より再開。資産購入は、利下げの効果を強化するのに必要と考えられる限り続け、利上げを行う少し前に終える。
 TLTROⅢの要件緩和適用金利を従来の計画から0.1%ポイント引き下げて主要リファイナンスオペ金利(0%)と同水準にする。貸し出しを増やした金融機関には、最大▲0.5%まで優遇金利を適用可能。融資期間は従来の2年から3年に延長する。

ポイントとなる点ですが、まずはマイナス金利の階層化です。
金利階層化措置が導入されたのは、マイナス金利の長期化により金融政策の波及メカニズムが阻害されてしまうことが懸念されたためです。ユーロ経済は間接金融が主体であるため、「マイナス金利+長期化」は金融機関の収益が悪化し、信用創造機能が阻害されてしまうような事態をECBは懸念したためです。
ちなみに、マイナス付利が免除される金額が大きいドイツの金融機関がマイナス金利階層化の恩恵を最も受けるのは要チェックですね

次に、政策金利に関するフォワードガイダンスの変更です。従来は、2020年前半まで低金利を続けることが約束され、低金利を維持する期間が特定の時期と緩やかに紐づけされていただけでした。ですが、今回のガイダンスの変更によって、利上げ時期はECBの物価見通しや基調物価の実績と強く紐づけされることとなったわけです。
実質的に物価が上がるまでは、いつまでも低金利を続けますよということです。

資産購入プログラムの再開については疑問点が多く残ります。
今回、200億ユーロ の資産購入を11月から再開するとのことですが、ドイツなど一部の国では 1 銘柄当たり発行額の33%までしか購入できないという制度上の購入上限にすでに近いのではないかとの見方があります。
そのため、本当に継続して行えるのだろうかという点が非常に気にまります。

TLTROⅢの要件緩和は、金融機関に取っては良いことです。
下の図が示すように特にイタリアやスペインは、利用残高も多く恩恵を受けそうですね。

長期リファイナンスオペの利用残高

リファイナンスオペ出典:みずほ総研

どうなるブレグジット

離脱するの?しないの?どっちなの!?
でお馴染みのブレグジット 。今月末にも合意なき離脱が実現してしまうのかと思いきやそうでもなさそうです。

イギリス政府とEUは17日、ブレグジットの条件を定めた離脱協定案に合意しました。英国議会は19日、37年ぶりに週末に集まり協定案を審議しています。
さて、今回合意したこの法案ですが、内容が前回から変更されています。大半の内容はメイ前首相が取りまとめた協定と同じですが、大きな違いは2点。
「アイルランドと北アイルランドの国境について」と「イギリスが移行期間後にEU関税同盟を離脱するかどうか」です。

問題となっている点は、EUからの観光客に対してビザ制度を導入する計画はないということ。
それはすなわち短期間の滞在については現状とほとんど変わらないということです。

そして、最大の問題がバックストップ条項を削除した点にあるため、移行期間や市民権、清算金といった項目は同じで、イギリスは移行期間の終わる2020年12月末まではEUのルールに従うことになっていますが、今回の新協定案では移行期間終了後にイギリス全体がEU関税同盟から離脱する。また、EU単一市場からも離脱するが、北アイルランドだけは農業品などの分野でEUのルールに引き続き従うことになります。

バックストップとは、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間に厳格な国境管理が導入されることを回避するための取り決めであり、代替的な管理体制が「見つけるまで」、もしくは「見つからなければ」、英国がEUの関税同盟にとどまるというもの。

まぁとにかく、あれやこれやとまだまだ問題は山積みのまま。
それに、下院承認なしに離脱協定を施行することは、現在の法律上はできないためおそらく今月中の離脱はなさそうです。欧州のこのお祭り騒ぎは来月も調べることになりそうです。

 

新興国市場

iShares MSCI India ETF & VANGUARD FTSE EMERGING MARKETS
INDA ETF
出典:Yahoo finance

インド経済に光か

【インド経済】大型法人減税などで8%の成長率に回復か
*12:23JST 【インド経済】大型法人減税などで8%の成長率に回復か インドの財務省は9月20日、法人税を大幅に引き下げると発表した。内訳では、国内企業の法...

経済成長の減速を受け、インドでは大幅な法人税減税が発表されました。
企業収益の改善や景気の回復期待からインド株式市場は急上昇。新興国インデックスを一気に飛び越えてからも高い期待はそのままにしています。
既に実施されている金融緩和や政府による産業支援などの景気刺激策を含め景況感の改善かを期待したいところ。

悪化傾向にあった中国経済は一旦は歯止めがかかったようで9月のPMI指数は49.8となり、5ヶ月ぶりの水準を回復。ですが、米中貿易戦争は依然解決しておらず、予断は許さない状況。トランプ大統領の呟き一つで再び火が付くことはありえます。

過去に中国の景気動向が米国やユーロ圏に先行したケースは非常に多く、中国景気の推移が今後の世界景気を占う 試金石となる可能性があるため、中国景気の行方にはかなり注目が集まります。

データ引用
VESTA-無料で使える投資ツール-
SBI証券


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ころすけ(@korosuke_money)

ころすけ

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