スタバで耳にした興味深いお話

その日、僕は友人と待ち合わせをするために街でカフェを探していました。4月だというのに外はまだ冬の寒さを引きずっているような感じ。外が寒いので早く店内に入りたかったためか、知らず知らずのうちに早歩きになっていました。

しばらく歩いていると、大通りに面したスターバックスでテーブル席が空いているのを発見。足早に店内へ入って席を確保。しばらくそこでコーヒーを飲んでいると、面白い会話が耳に入ってきました。
隣の席の女子高生とおじさんが何やら楽しそうに盛り上がっているではありませんか。友人はまだ来ない様子。スマホを触る仕草をしながら会話を少し聞いていると、話題になっているMMT理論についてのお話でした。

非常に興味深い話なので、自分用のメモとして記録しておきます。

 

そもそもMMT理論とは何なのでしょうか。
Modern Monetary Theory の頭文字であり、日本語で直訳すると「現代貨幣理論」または「現代金融理論」と呼ばれています。
その考え方は

政府が自国通貨建ての借金をいくら増やしても財政破綻はせず、インフレはコントロールできるものである。デフレの際に緊縮財政なんてもってのほかであり、もっと借金をして財政出動すべきである。

国債を無限に発行し自国通貨で資金調達をしても破綻は決してしないということでしょうか。ハイパーインフレに向かうことはなく、政府がしっかりとアクセルコントロールを行えば安全に走行可能であり、持続可能な政策だということでしょうか。

これがMMT理論でのベースとなる考え方だと思うのですが、これが革新的な考え方なのかありえないほど愚かな考え方なのか、私にはわかりません。

そこで、女子高生とおじさんの考え方やアイデアをメモ書きとしてまとめておく事にします。

女子高生の考え方

※画像はイメージです

 

 国債の無限発行や資金調達、MMTを語るときには、まず自分の国が無から何を生み出しているか考える必要があります。ペーパーゲームはあくまでもペーパーゲームであり、それ以上でもそれ以下でもありません。

生産とはなんでしょうか?
実際に木を切り、加工し、輸送し、最終的にモノが作られます。そこで初めて生産になります。
鶏を育て、卵を回収し、パッキングしてスーパーに並べて、初めて『モノ』になります。

国債を発行して、それを外国に売りつけて、貿易赤字をそのままにし、それで贅沢をする行為は自分たちがするべきその『モノ』の生産を外国に押し付けているだけだと考えます。

そのため、国債を発行してそれを自分の国の中央銀行に買わせる行為は、将来の世代がつくる『モノ』の代金を前借りで使い込んでいるだけということ。いつかはそのツケを返さなければいけません。無から有は生み出されないわけですから。

人がなにか手を動かして価値ある『モノ』を作り生産しなければ、根本的な国家の財政対策にはならないはずです。アメリカも日本も、無限に国債発行して資金調達すれば良いと言って数字遊びをしている人たちはどうかしています。

アメリカのような自国通貨を持つ国家は、債務をどれほど多額に抱え込んでも心配する必要はない。どんな時でも求められた利払いに、さらなるマネーを刷ることで対応することができるからだ。そのため支出はインフレだけに制約されることになる。ここでのインフレとは公共部門と民間部門が同時に多額の支出を行った場合に発生するインフレのことだ。需要の増加に対してインフレを高進させることのない十分な労働力と設備がある限り、政府は雇用の維持や気候変動を食い止めるような目的の達成に必要な支出が可能となっている。

MMTではこうありますが、すでに日本もアメリカも非常に小さな財政赤字の領域をはるかに超えて、著しくインフレ率を超えるペースで国債発行し債務を増やしています。私は日本やアメリカがMMTの視点から問題ないというのはおかしいと思うのです。

いつかはインフレによる財産の没収(資産の無価値化)、もしくは増税による財産没収で自国民が報いをうけるしかないと思っています。

 

おじさんの見解

※画像はイメージです

 女子高生が一通り意見を述べたあと、それを受けておじさんが話し始めました。

 

「僕はMMTを正確には理解できていないし、経済の専門家でもないことを理解した上で聞いて欲しい。」

・一つ目は、現在の日本とアメリカの財政赤字が過小か過大かという論点です。
従来から多いのは、財政赤字の額の大きさによって判断するという考え方です。財政赤字がいくらを超えたから(例えば1000兆円ほどの)財政赤字が多すぎるとか、そもそも財政赤字が悪であるという考え方です。

MMTでは、インフレ率によって財政赤字が過少なのか過大なのかを論じています。
財政赤字が10倍や100倍になったかということではなく、インフレ率を見ます。君が言っていた無から有は生まれないという考え方はMMTでも共有されています。モノを生産できないのにお金だけ発行しても意味がない。
そのため、財政赤字という名の貨幣供給は生産能力等の供給力によって適正値が変わります。そして、適正かどうかはインフレ率で判断すべきだという考え方です。

インフレ率(青:アメリカ、黒:日本)

出典:Trading economics

そこで、日本のインフレ率を見てみると長い期間低いままです。MMT的に考えてみると、生産能力等の供給力に対して、貨幣供給(財政赤字)が足りないと判断することができるのだと思います。一方でアメリカは日本よりもインフレ率が高いので、貨幣供給のできる余地が少ないことが予想されます。

・二つ目の論点は
①インフレによる財産の没収(資産の無価値化)
②増税による財産没収

この二つ、で自国民が報いを受けるしかないのか、そうではないのかです。

①インフレによる財産の没収(資産の無価値化)

インフレ率がプラスの範囲で高まった場合、実質的に資産が減っていくこと自体は事実です。
しかし、ここでは資産の無価値化ということなので、いわゆるハイパーインフレを指していると仮定して話を進めてみます。

結論から言うと、日本においてはハイパーインフレを懸念する状況にはありません。受け売りですが、デフレで長期間苦しんでいる国が、財政赤字拡大によるハイパーインフレを懸念するというのは、飢えて栄養が足りずに苦しんでいる人が、肥満を気にして食事を取らないようなものです。

君が、ダイエットすると体重が減りすぎて大変なことになると懸念するようなものです。勿論、極限までダイエットをするとそういうこともあるかもしれませんが、それは適正体重に近づいてから考えれば良いことです。
今の日本でハイパーインフレを懸念するというのはそういうことだと認識しています。
つまり、ハイパーインフレを懸念するにしてもせめてインフレ率が適正に近づいてからです。

②増税による財産没収

租税はまさにMMTで語られている重要な論点です。
この動画を紹介させて頂きます。

蛇足ですが、コロナウイルスによる影響で、たちの悪いインフレが起きる懸念は個人的にしています。

例えば、今回のコロナ禍では生産能力を持っている工場などが止まってしまっています。これによって多くの製造業を営んでいる企業が倒産や廃業をしていくかもしれません。
仮に、倒産や廃業によって供給能力が破壊されてしまうと、お金を出してもモノが無いという状況が起こりかねません。こうなると、供給能力不足による悪いインフレが起きてしまうことは容易に起きてしまいます。

そのためこれを阻止するために、例えばアメリカやイギリス政府は財政赤字を増やし、供給能力をできる限り維持することを選んでいます。お金は出してあげるから、倒産も廃業もしないでねというメッセージです。これをしないと供給能力が激減し、悲惨なことになると予想されるからです。

女子高生の答え

 私は、国民一人あたり1000万円もの債務を発行しているのは多すぎると思うし、さらに増やすのは適切ではないと思います。なぜならば、自分たちはそれに対する返済能力がないからです。(貯金や金融資産を棒引きしないかぎり)
※正確には現在国民1人当たり 約713万円、 4人家族で 約2,852万円(財務省主計局から抜粋

もしある日突然、国民全員が一斉に銀行や国を信用しなくなり、外貨や現物に換金するために預金を全て引き出したらどうなるでしょうか。中央銀行がある日いっせいに国債を売却して現金を買い戻して引き落としにあてます。

つまり自分たちが国に貸していたお金は、自分たちが国債購入に政府を通して使用済であり、銀行の中の預金は全て幻だったということになります。
つまり、日本の銀行の中の国民の貯金は、すでにもう無いものをクレジット(信用)のみで増幅させてあるもの、と扱っているように思うのです。

おそらく、発行した国債の量から見ると、国民の金融資産総額より国債のほうが多いのではないのか。
インフレがどうこうというよりも、それを許容する理屈はおかしいと思っているんです。

日本の平均金融資産が一人300万円だとします。
それならば、30万円〜50万円とかを政府が国債で発行して、それを中央銀行に買わせて将来の生産の前借りの形で政策の出費にあてるのは多少レバレッジをかける方法として理解できるのです。

ですが、一人あたり1000万円ものレバレッジを掛けて将来生産物から前借りするのは、とても良いことだなと私は思えないのです。このB/Sがこのまま悪くなり続けるのであれば、なんらかの形で将来保有金融資産の棒引きが行われると思うのです。

それは平時ではなく、インフレか、はたまた日本の貨幣信用力が落ちた時か、国民が日本もしくは銀行を信用しなくなったときかしりませんが、無限に錬金術を行うことは無理だと思うのです。

おじさんに対するちゃんとした回答にはなっていないけれど
MMT理論も同様に、永遠に財政赤字を膨らませてインフレにならないのであれば国債も発行出来るというのは、無いものからは何も生まれません。
それは、クレジット(信用)というマジックを使って、貨幣流通総額が増えているようにみせかけているだけです。

それがまかり通るのであれば一人10億円国債発行して、なぜ国民は全員遊んで暮らさないのでしょうか?

10億円はダメ?10億円はダメで、なぜ一人1000万円ならセーフなのでしょうか?

今は偶然インフレしてなくて、ある日偶然に国中の人々がこんな大量の国債を発行してる通貨なんて信用出来ないと気づいたら、その時点でお終いなのではないでしょうか?日本円が紙クズになってしまいます。

みんな薄々はおかしいと気づいている。ほんの30年間インフレしなかったからもうインフレしないと信じ込んでいるだけなのでは…。

 

お話はここまで

その後、友人が来たので店を出てしまったため続きの話は聞けていません。ですが、とても興味深い話だったことは確かです。

100年間不確実な事が起こらなかったからといって、それが確実なものとなるわけではありません。
そこに約束もなければ、保証なんてものは一切無いのです。しかし、人はそれらを「信じてしまう」または「信じたい」生き物なのかもしれません。

問題が目の前にある時、最善策とはどのような事を指すのでしょうか。本当にその問題を解決できる策なのか。または、人々の不安を払拭するような夢を語ることが策になるのか。愚かな僕には検討もつきません。

今、自分で理解が出来たことは一つだけ。
水道の蛇口を捻って水の量をコントロールする、洗面台の栓を閉めたり開けたりする、、、簡単なようでとても難しい事な気がします。溢れたら取り返しのつかない事になりそうだから。

 

最後まで読んでいただき ありがとうございました♫

ころすけ(@korosuke_money)

ころすけ

 Please follow me !!

コメント

タイトルとURLをコピーしました